新年にあたり、iPhone と iPod touch 用の無料のアプリ、TidBITS News をご紹介させて頂きたい。iPhone OS ソフトウェア開発という素晴らしき新世界に私たちが初めて公式に進出することとなるこのアプリは、真の意味でのチーム協力の産物だった。(料理人が多過ぎると単純なアプリでさえもいつまで経っても出来上がらないという格言があるが、今回はまさにその裏返しだった。)Matt Neuburg が Cocoa コードを一手に引き受け、Glenn Fleishman が特製の舞台裏専用 RSS フィードを作り上げ、Jeff Carlson がアイコンを担当し、他のスタッフたちが援助と情報とを提供した。(「口うるさくガヤガヤ言う」の裏返しだった。)そして 出来上がったアプリが今、App Store からダウンロードできるようになっている。さっき言ったように、無料だ。
TidBITS News アプリの初めてのバージョンで今回私たちが目指したのは、最新の TidBITS 記事のフルテキストにアクセスできるシンプルかつエレガントなアプリを作る一方で、iPhone OS プラットフォームにおけるエレガントな使用法の利点をフルに引き出したいということだった。
その目標のために、TidBITS News アプリにはたった2つのスクリーンしかない。最初のスクリーンで、最も新しい記事 60 個の見出しと要約が表示される。この見出しスクリーンでどれかの項目をタップすれば、第2のスクリーンが現われ、そこでその記事のテキストすべてが読める。
記事表示スクリーンの上で、記事の中に含まれているリンクをタップすれば、それに対応するウェブページが Safari で開く。記事のタイトルをタップすれば、対応する TidBITS ウェブページがロードされる。ただし、もしもその項目が外部リンク記事だった場合には、その外部リンク参照先の元記事がロードされる。もしも記事の中に YouTube ビデオが埋め込まれていれば、タップしてムービーを観ることができるし、Done をクリックすれば元の記事に戻る。私たちがポッドキャストとして録音済みの記事については、上の方にある Listen ボタンをタップすれば私たちのウェブサイトからストリーミングオーディオとしてその録音が聴ける。
今の段落で説明したことはすべて、当然ながらアクティブなインターネット接続を必要とする。けれどもこの TidBITS News アプリはインターネット接続なしの状態でも使える。なぜなら、記事自体はあなたの iPhone や iPod touch の中にキャッシュされるからだ。だから、例えばあなたが朝起きてこのアプリを起動させれば、自動的に最新の記事がキャッシュ保存されるので、その後アプリを終了させてよい。それから後になってまたアプリを起動させれば、たとえその時オフラインであっても通勤中の地下鉄の中で面白そうな記事を読むことができるし、iPod touch が Wi-Fi ネットワークの外にあっても問題ない。
このアプリにはボタンが3つしかない。1つは最初のスクリーンにある Refresh ボタンだ。これを押せばアプリがインターネットに出て行って記事のキャッシュをアップデートする。キャッシュはアプリを起動した際に自動的にアップデートされるが、あなたがアプリを終了した際には見出しスクリーンが開いていた場合のみキャッシュがアップデートされる。何か記事を読んでいる最中にアプリを終了した場合は、次にアプリを起動した時に、もちろんその同じスクリーンが開いたままの状態に戻って同じ記事を読み続けられるだけでなく、キャッシュの自動アップデートは行なわれない。そこで、手動でキャッシュをアップデートする方法が必要となる。そのためにあるのが Refresh ボタンだ。このボタンをタップすれば、まずボタンが無効化される。必要以上にユーザーが RSS フィードを連打することを避けたいからだ。アプリのラン1回につきリフレッシュは1回で十分だろう。
第2のボタンは記事表示スクリーンにあり、記事のフォントサイズを指定する。これをタップすれば5種類のフォントサイズが循環して切り替わる。一番大きなサイズの後でもう1回タップすれば一番小さなサイズに戻る。こうして、あなたの目に一番合ったサイズのところで止まればよい。第3のボタンも記事表示スクリーンにあり、上と下の矢印を示している。これをタップすれば、前の記事や次の記事が表示される。いちいち見出しスクリーンに戻る必要はない。
このアプリにはそれ以外にボタンはなく、それ以外にオプションはない。意図的にそういう風にデザインしてあるのだ。私たちは、できるだけ物事をシンプルにしておきたいと思ったし、iPhone の小さな画面上の貴重なスペースを無駄に使いたくないと考えた。結局のところ、これはテキストを読むためのアプリなので、画面の中にできるだけたくさんのテキストが収まるようにしたかった。それぞれのスクリーンでボタンの数を1つか2つだけに抑えることによって、ボタンを上部のナビゲーションバーの中に置くことができ、スクリーンのそれ以外の部分をコンテンツを読むことに振り向けるようにできた。
というわけで、もしもあなたが iPhone か iPod touch をお持ちなら、どうぞ TidBITS News アプリを使ってみていただきたい。無料で、使いやすく、私たちが TidBITS で出版する最新のものをあなたの都合に合わせて読める最適の方法となるだろう。私たち TidBITS チームの面々もこのアプリをしばらくの間使ってきて、既にこれが TidBITS を読む良い方法だと納得するようになっている(これが一番お気に入りの方法となった人もいる!)ので、皆さんにも気に入って頂ければと願っている。もしも気に入って頂けたら、App Store のランク付けやレビューに反映して頂ければ非常に嬉しい。私たちは TidBITS News アプリが TidBITS に新しい読者を開拓する道を開いてくれればと思っているし、App Store に良いランク付けやレビューが集まれば、アプリの発見可能度も大きく高まるだろう。
最後にもう一言。これがバージョン 1.0 リリースに過ぎないことをお忘れなく。私たちはいつでもアップデートを作る用意ができているし、App Store の配布システムで優れている点の一つはアプリをダウンロードしたことのある人に自動的にアップデートの通知が届くことだ。だから、ぜひ皆さんにはこのアプリが将来のバージョンでどのように改良され拡張されて欲しいかのアイデアを寄せて頂きたい。もちろん私たちも自分たちのアイデアのリストを作っているが、読者の皆さんが興味を寄せて下さることこそ私たちが時間と努力を注ぎ込む原動力なのだから。私たちが温めているアイデアとしては、個々の記事の既読・未読ステータス表示、コメントへのアクセスの提供、Safari に切り替えずにアプリの中でリンク先の記事を表示する方法、私たちのサイト上のフルテキスト検索エンジンへの連携、などがある。皆さんがどんなことを希望されるか、ぜひコメントでお聞かせ願いたい!
コメントリンク10876 この記事について | Tweet リンク10876
文: Adam C. Engst 訳: Mark Nagata TidBITS 読者たちの中で、iPhone や iPod touch で TidBITS を読む人たちはきっと増えるだろう。私たちがリリースしたばかりの無料アプリもあるのだから。(2010 年 1 月 4 日の記事"無料の TidBITS News iPhone アプリ"参照)でも、Kindle ユーザーの方々にも良いニュースがある。TidBITS が、Kindle でも購読できるようになったのだ。
iPhone 用の TidBITS News アプリと同じように、Kindle で TidBITS を読むにも RSS フィードを利用する。つまり、新しい記事が利用できるようになり次第ダウンロードされ、オフラインでも読めるようにキャッシュ保存される。基本的なテキストスタイル(ボールドとイタリック)をサポートし、画像の表示もできる。外部のウェブサイトへのリンクを辿ることさえも可能だが、ただしこれは Whispernet がオンになっていて利用可能な場合に限られる。それに、利用可能な場合であっても Kindle の実験的ウェブブラウザはどうひいき目に見ても並以下だ。
Articles List から、好きな記事にジャンプできる。読んでいる最中に次の記事や前の記事にナビゲートできる。(私は Kindle DX の小さなジョイスティックを使っている。)ちょっと奇妙なことに、Kindle は記事と記事を次々にぴったりと繋げて示すので、フィードを次々と見て行くために Next Page ボタンを使っても記事と記事の間に全く空白が見えない。
Kindle プラットフォームの限界により、埋め込まれたムービーは画面に登場しないし、私たちがポッドキャストに録音したものを聴く方法はない。(ただし Kindle の機種によって独自のテキスト読み上げ機能を持つものはある。)これら二つの機能は将来も実現は難しいと思うが、全体的に見ればいずれもごくマイナーなことだろう。
14 日間の試用期間を過ぎた後は、Kindle で TidBITS を読むのは無料ではない。Amazon は月額 $0.99 の料金を課しているが、これは主に Whispernet の無料ワイヤレスサービスに料金を払うためのもので、フィードのアップデートがこのサービスを経由してなされるのだ。私たちはすべての購読料金の 30 パーセントを受け取ることになっているので、これを皆さんが小銭で TidBITS をサポートする方法と考えて頂ければと思う。
私たちは常日頃からさまざまの一般的フォーマットで、できるだけ多くのプラットフォームで TidBITS を提供しようと努めているので、今回それに Kindle を加えることができて嬉しい。同時に、Kindle による読書体験が今後さらに改善されることを望みたい。
もしもあなたが TidBITS を読むことがお好きで、しかも Kindle での読書がお気に入りなら、ぜひその両者を合体させてみて頂きたい。少なくとも、無料の試用期間が 14 日間利用できる。合体させてみたらピーナツバターとチョコレートみたいに意外と美味しい組み合わせだったということになるかもしれない。皆さんの感想を、ぜひコメントでお寄せ頂きたい。
コメントリンク10879 この記事について | Tweet リンク10879
文: Jeff Carlson 訳: Mark Nagata 技術系ライターであることが意味するものの一つに、メジャーなオペレーティングシステムのアップデートがある度に、親戚たちの家を一軒一軒訪問して、彼らの Mac をアップデートして回らなければならないというのがある。最近私の母の家に滞在していた時、私は彼女の iMac を Snow Leopard にアップグレードした(そして私の著書"Mac OS X Snow Leopard Pocket Guide"もあげた)だけでなく、彼女のバックアップがすべてうまく行っているかも確かめた。
Snow Leopard へのアップグレード自体は問題なく済んだのだが、彼女のセットアップ特有の問題が一つあることに気が付いた。彼女の持っている HP Photosmart P1000 プリンタのために、新しいプリンタドライバが必要だったのだ。もちろんソフトウェア・アップデートにアップデートをダウンロードさせることもできたが、必要なドライバは HP Printer Drivers for Mac OS X v10.6 update の中に含まれていて、これが何と 387.44 MB もある代物だった。